【肱川堤防(県管理区間)完成式】

大洲市菅田町にて開催された肱川緊急治水対策の県管理区間における堤防完成式に出席しました。
肱川の治水対策は、平成16年に国と県が共同で策定した肱川水系河川整備計画に基づき進められてきました。

しかし、6年前の平成30年7月豪雨災害により、甚大な被害が発生したことから、肱川緊急治水対策が策定され、「激特事業」を活用し、おおむね5年間を完成目標に、堤防整備に集中的に取り組んできました。
河川整備は下流から行うことが原則で、肱川も、下流地域の堤防整備については国が、上流地域は県が行ってきました。

このたび、県管理区間における堤防整備が完成をみたことは、3月に完成した国管理区間の堤防とあいまって、平成30年7月豪雨の際と同じ流量であっても、氾濫することがないレベルの対策が講じられたことになります。
県職員時代から肱川の治水対策に携わり、また国政の立場では、激特事業の一日も早い完成に向け、国土交通省や財務省に予算の確保を訴えてきました。

とりわけ、政治活動を始めた5年前、まだ水害の爪痕が残る菅田地区を歩かせていただき、被災者の皆様のお話を聞かせていただきました。堤防が完成したことは、本当に感慨深いものがあります。
改めて、堤防整備の推進にご理解、ご協力をいただきました地権者をはじめとする地元の皆様、工事関係者の皆様、愛媛県の皆様に感謝を申し上げます。

一方で、地球温暖化の影響により災害が頻発化・激甚化しています。先だっても台風1号の接近に伴う前線の活発化でかなりの雨が降りました。
肱川流域の治水安全度を高め、安全・安心な暮らしや生業を確保するため、更なる対策として、東大洲地区における排水機場の整備、大川地区の堤防整備、野村ダムの改良工事や山鳥坂ダムの建設、そして宇和盆地の田んぼダムや、内子・小田地域の森林整備など、ハード・ソフト一体となった取り組みが求められます。
県と流域の市町と連携して、肱川流域の更なる治水対策に取り組んでまいります。

肱川流域は、清流の恵みにより、農業や木材産業がはぐくまれ、また、伊予の小京都とよばれるまちをつくってきました。
流域の安全・安心の確保とともに、肱川流域の活性化や賑わい創出に向けた取り組みも力を入れていきたいと思います。